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分散投資について考えてみる
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言がありますが、不動産投資で言えば、新築、築古、戸建て、アパート、マンション、区分など物件の種類やエリアのバラエティーを増やすことでリスク分散を行うことが可能になります。
投資全般で言えば、不動産投資以外の投資、例えば株式や為替、商品(金など)などに資産を分散させることでリスク分散を行うことが可能になります。
他のカゴを探すべく不動産投資以外の投資について調べていたところ「海外積立投資」というものにたどり着いたので投資対象となるかどうか調べてみました。
海外積立投資?
海外積立投資とは簡単に言えば海外の投資信託を購入するようなイメージだと思っています。
日本国内でもバラエティ豊富な投資信託があり、ある程度自由に購入することが可能な現状において、どうして海外積立投資に手を出す人がいるのか?
理由はいろいろあると思いますが、一番の理由は大きな利回り(ほんと?)とその運用益に対して運用を止めるまで税金がかからないから(ほんと?)ではないでしょうか、と理解しているのですが日本の税法的に適切なのかどうか不安ではあります。
また他の理由としては、宣伝の上手さがあると思います。運用益に税金がかからないから複利効果で雪だるま式に資産が増えていく、と聞けば誰しも素晴らしい投資対象になると考えるのではないでしょうか。
綺麗な薔薇には棘がある
ただ、よくよく調べてみると、そうそう美味しい点ばかりではなさそうで。
紹介者の説明では年〇%の複利効果での資産増加のグラフが出てきたりしますが、そのグラフでは手数料が考慮されていません。
この手数料が曲者で、さらっと計算しただけでも積立資産の10%弱は年間手数料で持っていかれてしまいます。
100万円積み立てていた場合、年間で10万円弱抜かれてしまいます。
つまり最終的に年5%のプラスで運用しようとしたら、手数料を考えると、年15%で運用してもらわないといけない計算になってしまいます。
10%で運用された場合、自分の利益は手数料でほぼ消えてしまいそうです。
5%で運用されたらマイナスですね。
薔薇の棘はひとつとは限らない
また注意しないといけないのは、日本国内で購入できる投資信託と違って、海外積立投資は積立期間が終了するまで極端な言い方をすると現金化することができません。
いや現金化できるのですが、できないと考えておく方がいいくらいのシステムになっています。
また満期を迎えず、途中で積み立てを止めて現金での払い戻しをする場合(解約する場合)、それまで積み立てた資産はほぼ没収されてしまいます。
いや返ってくるのですが、満期前の場合は返ってくるお金は投資額のほんのほんの一部です。
100万円積み立てて10万円しか戻ってこないとかそういうイメージでも大きく外れてはいない印象です。
海外積立投資の個人的イメージ
まとめますと。
海外積立投資は日本でいう投資信託のようなもの。
毎年の手数料が投資額の10%弱かかる(資産が毎年10%弱は確実に減る)。
途中解約の場合は資産をほぼ没収されてしまう。
どのような日本人が対象となるのか
これだけ書くといいところ無しのように聞こえますが、どのような人が対象になるのかも考えてみました。
ここからは想像ですが、外貨で資産を持っていたい人、海外の会社に資産を移動させたい人、くらいでしょうか。
外貨への投資は分かりますが、日本国内ではなく海外に資産を移動させたい人ってどういう人なんでしょうね。
素直には理解できません。
素直じゃないのでなんとなくは想像できますが。
棘はあるけどやっぱり薔薇は綺麗?
極端な書き方をしましたが、手数料は10%弱かかる部分と5%弱かかる部分があったり、現金化も一部は拘束されますが、それ以外は引き出すことは可能だったり、また投資額によってはプラスアルファでお金がもらえるボーナスシステムが存在したり、保険金システムや利回り保証(元本保証の強化版のようなもの)もありメリットもあるにはあるようです。
海外積立投資は決して詐欺ではありません。しかしそのデメリットを理解した上で投資しなければ騙されたと感じることになるかも知れません。
日本人には薔薇より桜
という訳でまずは日本国がわざわざ税金を優遇してまで推奨する「個人型確定拠出年金(iDeco)」と「積み立てNISA」を通して投資信託について実践型の勉強を始めてみたいと思います。
この実践を通して海外積立投資について新たに見えてくる何かがあるかも知れません。